笑顔の向こう側

多くの場面で強いられる「感情労働」について語っています

感情労働が発生する職種

職務において、感情を抑えて働かなければならない仕事を感情労働といいます。
実際、湧き上がってくる感情を表面に出さず、業務に従事することを強いられる仕事は多岐に渡ります。

感情労働が特に強いられる仕事として挙げられるのが、駅員や客室乗務員です。
日常業務として、乗客を案内したり、電車のトラブルに対するお知らせなどがメインとなります。
毎日、ぴったりの時間通りに運行する電車は、時間のルールが厳格です。
その分、遅延のトラブルは日常茶飯事です。
そんな中、乗客の理不尽な言動や感情的な態度にも冷静に対応をしなければならないため、数ある仕事でも感情労働が占める割合が多い現場といえるでしょう。

こうした感情労働は、主に相手を敬う形のサービス業で強いられるものです。
そのため、基本的に接客サービスが求められる職種では、ほぼすべてで感情労働が発生します。
仕事のすべてが感情労働となるわけでは無くとも、お客さんが相手である以上、クレームや理不尽な対応を受けることは必ずあり、感情的にならずに対処しなければなりません。

また、感情労働は接客サービス業ばかりでなく、官公庁や医療業界、介護業界などでも発生します。
役所の窓口対応はもちろん、患者や利用者に接する際にはサービス業等と同様に、職業上の立場で冷静に対応をしなければなりません。
医療や介護の業界においては、クレームや理不尽な対応に対してばかりでなく、患者や利用者に対する感情移入を抑えて仕事をしなければならないシーンも出てきます。

人である以上、生死に関わるショッキングな場面で、気持ちが揺れないことはありません。
そんな中、感情が引き込まれてしまわないよう堪えなければならない医療や介護の現場は、とてもタフな精神力が求められる場といえます。
こういった業界に興味があるなら、感情労働の面でも適正があるかどうかを考えておく必要があるでしょう。